ブルース、ゴスペル、ジャズ、ヒップホップに込められた「人種差別」の真相
――彼らの呻きと自由への渇望の音を聴け!
目を覆いたくなるようなリンチが起きても、
絶望に打ちひしがれるいわれのない差別を受けても、
音楽があれば、アフリカ系アメリカ人の内的な自由は奪われなかった。
ブルース、ゴスペル、ジャズ、ヒップホップ。
今、あなたの耳に流れるその音楽こそ、アフリカ系アメリカ人の神への祈り、そのものなのだ。
アフリカ系アメリカ人に対する終わらない奴隷制、冤罪、暴力。
今もなお律動する歌とリズムは、アフリカ系アメリカ人をどう救済し得るのか?
第一章 自由を奪われたアフリカ系アメリカ人は「音楽」で闘ってきた
第二章 ブルース、すべてがここから始まった
第三章 ヨーロッパ系移民の来訪とアメリカ先住民の悲劇―「野蛮人」はどちらか?
第四章 奴隷制民主主義―先住民と奴隷を除いた「独立宣言」の惨状
第五章 奴隷のアフリカ人たちは過酷な現実をブルースとスピリチュアルで乗り越えた
第六章 人種差別主義者リンカーンによる奴隷解放
第七章 アメリカの最も暗く、吐き気のするようなリンチの時代
第八章 バスボイコット運動というアメリカ史上初の非暴力による抵抗運動
第九章 人種統合への血の滲むような闘い
第十章 「I Have a Dream」―キング牧師の夢と悪夢
第十一章 人種隔離政策の終わりは「超分離主義」の経済的人種隔離の始まり
第十二章 アフリカ系アメリカ人の経験を代表するマルコムXの壮絶な人生
第十三章 アメリカ社会の価値観はアフリカ系アメリカ人を自己憎悪させる
第十四章 マルコムXの金字塔的偉業! むき出しの事実を語ったイスラム教徒
第十五章 ヒップ・ホップ・ジェネレーションの光と陰―現代にまで至る奴隷制
第十六章 新しいリンチの時代―警察と法も味方にならない閉塞の時代へ
最終章 Still I Rise! 困難をしなやかに乗り越えて立ち上がる!
藤井 創(ふじい はじめ)
1958年11月19日生。同志社大学文学部社会学科卒、東京神学大学大学院修了、日本キリスト教団牧師。アメリカのWestern Theological Seminary, SanFrancisco Theological Seminary, Yale Divinity School, Overseas Ministry Study Center に学ぶ。Doctor of Ministry(牧会学博士)。1996年~2008年、金城学院大学教授・宗教主事、2008年~2015年、酪農学園大学教授・宗教主任。2017年~2018年、Silliman University Divinity School客員教授。著書に『世紀末のアメリカとキリスト教』『アジアの風に吹かれて』『おりておいで!:現代の若者に問いかけるショートメッセージ』(新教出版社)、『倒れてもよいのです:現代の若者に語りかけるショートメッセージ』(キリスト新聞社)、『DS民主党・DS中国共産党・DSバチカン』(ヒカルランド)などがある。フィリピン・ドゥマゲッティ市在住。